みなさん、こんにちは。
フライハイワークスのコウです。
今回は、Nintendo SwitchとSTEAMにて好評配信中の
「スーパーメットボーイ!」の魅力をお届けする連載企画です!
#9は、スーパーメットボーイ!について
リビルドゲームスのゲームデザイン担当、asaba akiさんから、
「ゲームデザインにおけるストレスの設計」について、掘り下げたお話をお聞きしました!
■カスタムチップの遊び
カスタムチップとは、ATK、HP、GOLDと
コストの4つのパラメーターを持った蓄積アイテムで、
自分の最大コストの範囲内で最大5つのチップをセットすることができます。
セットしたチップの組み合わせで、
メットボーイを好みの性能にカスタマイズすることができます。
■カスタムチップとガチャゲーム
カスタムチップシステムは、モバイルゲームの「ガチャ」のシステムと似ています。
一定のリソースを支払い、レアリティを持ったランダムアイテムを入手する。
高レアリティのチップを5つ揃えることが
スーパーメットボーイのモチベーションサイクルのひとつとなっています。
■チップのオートセット
ここからが本題となります。
スーパーメットボーイのチップカスタム画面には、チップのオートセットがありません。
オートセットとは、ボタン一つで自動でセットする機能です。
近年のガチャゲームには、当然といっていいほど入っている仕様です。
ゲームを遊んだ方の中には、オートセットが欲しいと感じた方もいるかもしれません。
では、オートセットの需要もある中で、なぜないのでしょうか?
それは私が「オートセットで遊んでほしくない」という判断によるものです。
■「遊んでほしいこと」と「遊んでほしくないこと」
カスタムチップをセットする行為は、面倒な側面がありますが、
自分で試行錯誤する面白さがあります。
これはスーパーメットボーイはアクションゲームですので、
アクションが難しくてもカスタムチップの組み合わせ次第で
プレイヤーテクニックを補完できるという狙いがありました。
これをオートセットにした場合、
プレイヤーの努力で乗り越えた体験が薄まってしまうからです。
私が、ゲームを作る上で大事にしていることは、
「開発側が意図した体験をプレイヤーが体験できているか?」です。
遊んでほしいことは強調し、遊んでほしくないことはミュートします。
ガチャゲームでよくある不要カードを選んで合成したり、売却や処分など、
それらは私にとって「遊んでほしくないこと」です。
スーパーメットボーイでは、同じチップを入手した際、
「自動」でチップのコストダウンボーナスが発生します。
これは、コストの強化要素でもありますが、
同じチップ入手時のプレイヤーの処理を煩わせないために自動で処理するようにしています。
意図しない余計なストレスを与えてしまっては、
本来遊んでほしいものがブレてしまう恐れがあります。
カスタムチップについては、
プレイヤーが自由に組み替えてセットすることが一番大事なため、
自らセットする要素は残して、他のストレス要素を極力排除しました。
■ストレスの置き所がゲームデザイン
ゲームとは、
提示されたストレスに対してプレイヤーが適切に処理する行為と考えています。
ストレスには強さの軸があり、
その強弱と時間軸の掛け算がゲームにおけるチューニングです。
ゲームでのストレスは無さ過ぎたら味気がなく、強すぎても遊び疲れてしまう。
設計者が一番遊んでほしい仕様こそ強調すべきで、
ノイズになるようなストレスは排除すべきというのが私の持論です。
#8でのロード短縮の話にも繋がりますね。
例えばストレスの強さ軸で言えば、
とてもストレスの強い難しいゲームだった場合でも、
世の中には高難度ゲームとしてヒット作が何本もあります。
ストレスが強い=悪ではなく、
どうプレイヤーにストレスを与えるかが大事ということですね
(超激辛カレーみたいなものでしょうか?)。
開発者からひとこと
ゲームデザイン担当 asaba aki
今回は、ゲーム作りの考え方に触れる内容にしてみました。
あまり書きなれていないため、いつも以上にお見苦しい内容で申し訳ないです。
「遊んでほしいこと」は、制作者の一方的な押し付けとも感じられるかもしれません。
私は制作者がそうしたいのであれば、それはそれでいいと考えています。
それを世の中に問うた後のリアクションを受けて、次をどうするかだと思います。
あとがき
以上、【スーパーメットボーイ! #8】をお届けいたしましたが、
いかがでしたでしょうか?
【スーパーメットボーイ!】のストアページはこちらですので、
よろしければご覧ください!
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