みなさん、こんにちは。フライハイワークスのコウです。
今回は、フェノトピアの原作者のQuangさんに【フェノトピア】に関して深掘りしたロングインタビューをお届けしたいと思っています。聞き手には「フェノトピア攻略メモ。」のブログ主であり、日本のファン代表ともいえるおちょこさんに担当していただきます。
インタビュー(#1)
コウ お二方本日は何卒よろしくお願いいたします。
Quang よろしくお願いします。
おちょこ よろしくお願いします。
コウ それでは、まず初めに、Quangさんに改めて、自分の簡単な経歴や、本作での担当部分など、自己紹介をお願いできますでしょうか?
Quang もちろんです! 私のフルネームはQuang Hue Tran、34歳です。ベトナム人の両親のもとアメリカで生まれました。幼い頃からゲームやアニメが大好きで、いつか任天堂に入社してゼルダのゲームを作るのが夢でした。大学ではそのために日本語を副専攻していたほどです。
「日本語できるぜ! ちょっと...」(←こちらは原文そのまま)
大学卒業後、いくつかの技術系企業でプログラマーとして働きましたが、やはりゲームを作りたいという思いは消えませんでした。「任天堂に就職」というのは自分にはちょっと非現実的な夢だったかもしれませんが、『洞窟物語』のように一人でゲームを作る事も出来るということに気づき、その道に進むことにしました。25歳のとき、会社を辞めてインディーゲームの開発に専念することにしました。試行錯誤と日々勉強の長く険しい道のりでしたが、なんとかやってこれたかなと思っています。
フェノトピアでは、私はプログラマーとディレクターを担当しています。非常に小さなスタジオなので、ストーリーライティング、サウンドエフェクト、レベルレイアウトなどもほとんど私が担当しました。グラフィック、アート、音楽は、チームメイトに任せています。
コウ つづいて、おちょこさんも、簡単な自己紹介をお願いできますでしょうか?
おちょこ フェノトピア(Phoenotopia Awakening)の攻略(応援)ブログを作成しております「おちょこ」と申します。本日はこのような場を設けていただき、感謝申し上げます。コウシャチョーの方からは「フェノトピアファンならではのマニアックな質問もどんどんしてください」とお願いされてまして…(笑)ですので今日はそのつもりでお願いしたいと思います。
よろしくお願いしますね。
コウ ありがとうございます。では、ここからはおちょこさんにお願いします。
おちょこ まずはフェノトピアのパッケージ版発売おめでとうございます。
実は私もレトロ版を予約注文済みでして、商品の到着を楽しみにしているところなのですが…今回のパッケージ化に関して、ダウンロード版製作時には無かった印象に残っていることはありますか?
Quang ご注文いただいたんですね、ありがとうございます!
実は私自身、まだフェノトピアのパッケージ版そのものを手にしたことがないのです。みなさんとほぼ同時にパッケージ版が手元に届く予定です。ただ、パッケージ版のパブリッシャーさん(Premium Edition Games)の他タイトルのパッケージ版を確認済みですので、仕事の質には間違いないかと思っています。
パッケージ版その物はまだ手にしていませんが、パッケージ版パブリッシャーと協力して、箱のアートや箱の中に入るコレクターズグッズなどを決定、監修しました。そして、いろいろと感心させられました
デジタルで発売するよりも、パッケージ版はお役所的な手続きが多くなります。年齢審査機構は、ゲームの年齢評価をより厳しく審査し、多額の手数料を徴収します(デジタル版のみなら手数料はかかりません)。また、レーティングロゴやシリアルコードをボックスアートに貼る必要があり、見た目が悪くなります。しょうがない事ですが、あまり好きではありません。
でも、キーホルダーを作ったりするのは楽しかったです。キーホルダーは、製造業者のサイトで各種発注をすることが出来ました。アマゾンで物を買うより少し複雑だったぐらいで、他の工程に比べるとそれほど大変ではありませんでした。
実物を作るという工程は不慣れだったのでちょっと心配だったのですが、いざやってみたら何とかなりました。私がお世話になっているパッケージ版パブリッシャーさんも実はあまり経験が無かったらしく、当初は箱にレーティングマークを忘れてしまい、審査機構とかなり激しい交渉をされたと聞いてます。誰でも最初はそういうものですよね。
おちょこ なるほど…パッケージ版ならではの苦労があったのですね。
冒頭にも少しゼルダのお話がありましたが、フェノトピアは「リンクの冒険」に多大な影響を受けて作られた作品だとお聞きしました。
このゲームをプレイせずにインタビューに臨むのは大変失礼かと思いまして、つい先日「リンクの冒険」をクリアしてきたんですが…
フィールドでの戦闘の入り方や、序盤の洞窟がトンネルになっているところ、あと女神像の形状とか、似ている部分も沢山あって、フェノトピアの原点はここにあったんだ…と感じた次第でした。
ゲイルが笛を吹くところも「時のオカリナ」のオマージュだったりするんですか?また、ゼルダへの想いがありましたら教えていただけますか?
Quang もちろんです! ゼルダは私の大好きなゲームシリーズです!ゼルダシリーズは全作プレイしました。(CD-i版は除く。あれはノーカウントです。)そして、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』は私のベストゲーム第1位です!発売から24年経った今でも、私の心の中でこの作品を超えるものはありません。
子供の頃、初めてプレイした時は衝撃的で印象に残っています。その時、私は心の中で何度も熱く「私もゲームを作りたい!」と思いました。ゲームというのは、ただ物語を語るメディアだけでなく、実際冒険することで、登場人物に愛着をもったり、プレイヤーを没入させてくれるものだと思いました。ゲームはただ遊ぶものではなく、どこかに旅するようなものに近いと思っています。
『ゼルダの伝説 時のオカリナ』には、様々な面白い人たちがいて、いろいろなアクティビティができるのがすごく楽しいと思いました。なので、おっしゃる通り、フェノトピアの「笛」は『時のオカリナ』にインスパイアされたものですし、また街やNPC、釣りなどのミニゲームも『時のオカリナ』からヒントを得ています。


もし自分がAAA級の大きな会社を持っていたら、『時のオカリナ』のような大作3Dゲームを作ってたと思います。しかし、実際の私たちは小さなインディーズチームなので、現実的に考えて、扱いやすい2Dゲームにしました。ゆえに『リンクの冒険』にも大きく影響を受けています。たとえばストーリー中どこかで戦うことになる「シャドウゲイル」ですが、これは『リンクの冒険』に登場した「シャドウリンク」を意識したものです。
ただ、ゲーム開発者としていろいろ体験した今、私は「ゼルダを作りたい」とは思わなくなりました。なぜなら、ゼルダの製作者になった場合、私自身がゼルダをプレイできなくなってしまうからです(笑)。
おちょこ
私も「時のオカリナ」はフェノトピアと並ぶくらい大好きなゲームの1つです。
ゼルダファンなら、ペロ(ニワトリ)をいじめると反撃されるかも…と思って、つい試したくなりますよね。可哀想ですけど(笑)
Quang あはは、ペロの件で思い出したのですが、とあるファンの方が、ペロを攻撃すると実績「クイックヒット」のポイントとしてカウントされることを発見されたそうです。そして、動物に対するいじめをなくすために、パッチを当ててほしいというリクエストをお寄せいただきました。しかし、コードを調べてみたら難しすぎて簡単にはできないと判断し、この件はスキップしました>_>。
おちょこ
そんなことがあったのですね。ちなみに、ちょっと話は変わりますが…(#2につづく)
あとがき
というわけで、「フェノトピア」ロングインタビューの#1をお届けいたしましたが、いかがでしたでしょうか?
フェノトピアは下記のストアにて配信中ですので、ご興味を持った方はぜひご覧くださいませ!
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